セブンスピリット・スタッフBlog

フィリピン・セブ島を拠点に、スポーツ・音楽教育を通したライフスキル育成に取り組むNPO法人セブンスピリットのスタッフBlogです。

4年目の一歩

東日本大震災から昨日で丸3年が経過し、今日から4年目の時が動き始めた。

 

3.11。ボクは3年前のこの日もセブにいて、こう、なんというか震災の実感というものがないまま半年を過ごしたのを覚えている。だからこそ、半年後の9月に日本へ戻ったときに、石巻へ泊まり込みのボランティアに行ったのだと思う。

 

ボクにはたぶん、後ろめたさがあった。日本が大変なときにセブでのうのうと暮らしていた後ろめたさ。だからある意味、懺悔のような、自らを被災地ボランティアという厳しい環境に置くことで、これまでの許しを請うような気持ちで石巻に行ったんだけど、そんな思惑とは裏腹に……誤解を恐れずに言うならば、被災地でのボランティアはボクにとって楽しい日々だった。

 

多くの被災者を出した石巻でのボランティアは、楽しかった。もちろん活動内容自体は大変なんだけど、ともに活動する、同じ気持ちを持った仲間と一緒に寝起きをする。地域の方々と、ときには笑いあいながら会話をする。そんな日々をとても楽しく感じ、ボクはかねてから頭の片隅にあったNPO法人設立を心に決めた。どんな仕事であろうと、すべからく「誰かのため」になっているのは間違いないけれど、現場で、直接的に、顔を見ながら、誰かのため、その人のため、この人のために。利益よりも想いを優先して活動できる特定非営利活動法人NPO法人は絶対に楽しいに決まっている。そう確信した(まあ、NPO法人もお金がないと本当にやりたいことすらできなくなるという現実をあとで知るんだけど)。

 

フィリピンで活動するにあたって、日本が大変なときに、なぜフィリピンを助けるんだという人もいたけれど、ボクはフィリピンの子ども達を救うため「だけ」にNPO法人をやっているわけじゃない。フィリピンで活動することが、巡り巡って日本のためにも必ずなる。フィリピンの子どもが真っ直ぐ成長することによって、日本人が、もっといえばボク個人が、もっともっといえば田中家の両親が助けられることだってある。若者があふれるフィリピンという国が変われば世界だって変わる。世界が変われば日本だってもっと良くなる。セブンスピリットのプログラムに参加した日本の若者がなにかを感じ、高い意識をもって日本で活躍することだってあるだろう。

 

目の前にはいくつもの道があって、どの道を進めばいいのか時に迷ったりもするんだけど、最終的にすべての道はひとつにつながっている。だったら、自分が楽しそうだと思う道を進めばいい。

 

NPO法人にがっつり身を置く人っていうのは、究極の利他的人間のように見えて、実は究極の利己的人間でもある。でも、それがいいんだと思う。そこにかかわる「人間くさい人」が、ボクは好きなんだと思う。

 

随分と話しがそれたけど、結局なにが言いたいのかというと……なにが言いたかったんだっけ? 最近は物忘れが激しくて。

 

3.11はもちろん忘れることはないけれど、台風30号(ヨランダ)がフィリピンに甚大な被害をもたらした11.8だって、忘れちゃいけない。お母ちゃんの誕生日だって、忘れちゃいけない。忘れちゃいけないことって、いっぱいある。

 

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