セブンスピリットキッズという宝物
こんにちは。
約2ヶ月間、UUUツアーも含めセブンスピリットにお世話になりましたハルです。
今回セブンスピリットに関わらせていただき、多くの財産を得ることができました。
本当にありがとうございました。
スタジオの子どもたちとの思い出は、思い出せばきりがないほど浮かんできては幸せに感じます。
セブンスピリットスタジオは私にとって再び帰るべき場所になりました。
多くの子どもたちのことを話せばきりがないけれど、特に親しくなったのはインジュン。彼とは兄弟でもあり親友のような存在です。気づかないうちに多くの思い出を一緒につくっていました。
もともと彼は最貧困地区に住んでいて、セブンスピリットに入る前はストリートで仲間たちと路上で遊んでいました。そこではひったくりやドラッグといった、そういうのに囲まれた場所にいるわけで、そういったことをする仲間もいたそうです。
でも自分が接してきた彼は、笑いあったり泣いたりすねたり駄々こねたり、けんかしたりふざけて怒られたり、、日本の少年と変わらなかったように思えます。
最貧困の地区に住んでるということをのぞけば普通の世界中どこにでもいる少年でした。
ただひとつ確かなのは、僕にとって唯一無二の存在になったことです。
彼は第2トランペット担当で、自分も少年時代は第2トランペットだったのも何かの縁なのかもしれません。
一緒に隣に座って演奏しているときは楽譜をいつも自分が見やすいように気をつかってくれたり、女の子の話で勝手にニヤニヤしてきたり。
最終日前日に帽子をプレゼントしたら彼は有頂天になって喜んでたのに、その後もごもご言いにくそうに何かを言っていました。
自分は英語が理解できないと思い、「マサさんに翻訳して聞いてもらおう」と提案して言ったら
彼は「それはいやだ、きっと彼は怒る」と言って、自分の手を引いて永田マサさんのいる事務所に一緒に行こうとしませんでした。
後でわかったのは、彼はもうひとつズボンを買ってほしかったそうです。
そういうことか。
自分も子供の頃ゲームカセットがほしい、ほんとは一つじゃなくてあのゲームもほしいと親にもごもご言ってたのを思い出しました。
最終日、彼が帰っていくのを見えなくなるまでバイバイしました。
彼も何度も何度も振り返ってはバイバイして、角を曲がって見えなくなっても何回もひょこっと顔出して手を振って、
彼はずっと笑っていました。
「Don't forget me!」
帰る日が近づくと何度も何度も悲しい顔で言ってきました。
忘れるわけないじゃん。
どんな少年、青年になっていくか、またいつの日か会いたいな。
角から顔を出さなくなる間隔が長くなっても彼は何度も何度も顔出し遊びをして
自分がいるのを確認して、
しばらく顔を出さなくなって、
本当にずっと見えなくなりました。
いつのまにか夕日が暮れてあたりはすっかり暗くなっていました。
彼のいない道端でたたずんでて、涙が出ました。
最終日はスタジオが始まる前に、多くのスタジオキッズが住む地区にも遊びに行きました。
本当なら危険な地区なんだろうけれど、
子どもたちがいるかぎりも何も怖くはありませんでした。
みんなで路上でごはんを食べたり遊んだり。
子どもたちが我先にと自分の手をひいて家まで連れてってくれて、兄弟や親を紹介してくれました。
そこには、みんなの笑顔しかありませんでした。
スタジオが始まる時間になって、子どもたちに抱きつかれながら一緒に手を繋いで歩いて帰りました。
今思うとあのときが人生で最高に幸せな瞬間だったような気がします。
最高の幸せってのは、後々ふと思い出したように気づくものなのかもしれません。
子どもたちのことを一人一人考えると思い出が尽きません。
ダリの歌うことが苦手で、でも歌も楽器も掃除もいつもがんばってる努力家なこと。
アンジェリンのトランペットが下手で「私できない」っていつも笑い合っては励ましてたこと。
ロエルジョンの甘ったるい声してニヤニヤ話しかけてくること。
ニコルの男勝りで一匹狼な性格でしゃべってもフンって感じなのに最後だけデレデレしてきたこと。
ロアンとの空手遊びで「Kill you!」「You died」言い合ってたこと。
ナターシャのスポーツ大好きでドリブルがロボットみたいなこと。でもいつも楽しそうに動くこと。
ジャスティンの貧しくて病院に行けない膨らんだ体の病気のこと。
キムの失恋のこと。
ヒラリーの写真を撮ると、さらっとモデル立ちしてとびっきり笑顔になること。
ダフニーの「Me Me!!」といつも自分に抱きついてべったりなこと。
ジャスネイルの前歯がなくてお母さんと前歯談義して笑いあってたこと。
ノエラ、ジェリコ、ライザ、エラ、プリンセス、レナト、エンジェル、ジェットロ、アモール、チャールズ・・
この時この瞬間にしか感じられないこと。
子どもは自分がいない間にあっという間に成長していくとおもいます。彼らもまた、自分のこともそのうち忘れてしまうのかもしれません。
もう2度とないこの瞬間しかない宝物のような思い出。
これからも多くのひとがセブンスピリットと関わって、新入生も入って、でも自分にとってはこの時期に出会った子どもたちとの思い出は自分だけのかけがえのないものです。
帰国した今でも子どもたちの自分を呼ぶ声が聞こえてきます。
「Kuya Haru!!」
きっといつか自分も誰が誰の声だか忘れていってしまうのかもしれない。
ただ、スタジオでの日々の記憶は自分だけの一生の財産です。
いつのまにか子どもたちを愛してしまってた。「花は咲く」の合奏曲を、いつの日か目の前で聴けるときが来るといいな。
そろそろ頭を切り替えて、日本で一生懸命仕事がんばろう。
ありがとうございました。
UUU2015 春
初めまして。インターン生の上敷領です。
今回のUUUでは、運営メンバーとして参加させていただきました。
前回・前々回のハルさんの記事に引き続き、UUUの紹介を、今回は私が、参加者という視点から紹介したいと思います。
UUUプロジェクトでは、セブ島のさまざまな小学校や高校を訪問し、生のオーケストラ演奏を子ども達に届けます。セブ島では、クラシック音楽の文化があまり発達しておらず、どの学校に行っても、ほとんどの子どもがオーケストラを聴くのが初めて。
そんな子どもたちのもとに、キラキラの楽器を持ったお兄さんお姉さんが現れ、かっこよくて華やかな曲をたくさん演奏するのですから、こどもたちはまるでハリウッドスターがきた!とでも言わんばかりに興奮します。
サイン攻め、握手攻めにはいつものこと、たくさんのこどもたちが客席から押し寄せてきて、何回も何回も写真を求められます。
そんなこどもたちの姿に、メンバーは、最初は驚きながらも次第に笑顔に。
スター気分を満喫したあとには、
「明日はもっといいコンサートにしよう!」
と意気込み、それぞれが創意工夫をして次のコンサートに備えるのでした。
例えば、この中央の譜面台に置いてある、手の絵が描かれたプラカード。
手拍子して一緒に参加してほしい場面で掲げます。逆に、耳をすませて聴いてほしい場面用のプラカードも作成。2つを使い分けて、子どもたちに対し、どのように演奏を聴いたらよいのかヒントを与えます。最初のコンサートで、静かに聴いてほしい場面でも、こどもたちが静かになれなかった、という反省を生かし、急きょメンバーが自主的に作ってくれた作品です。
こうしたメンバーの積極的な協力によって、最終日まで、毎回パワーアップし続けたUUUのコンサート。
終盤に訪れた学校では、こんな言葉もいただきました。
「人生で一番楽しい時間だった」
これを聞いたメンバー全員が声をあげて喜び合ったのは言うまでもありません。
そして、UUUプロジェクトのもうひとつの大きな目的が、セブンスピリットの音楽教室に通う子どもたちと最終コンサートで共演することです。
それに向けて、プロジェクト中には子どもたちと一緒に練習する時間が何回かあるのですが、そこではUUUのメンバーが直接、子どもたちに楽器の指導をします。
子どもたちは本当にUUUが大好き。まるで本当のお兄さん・お姉さんのようにメンバーを慕い、一生懸命練習します。
フィリピン人スタッフのドロシーによると、合同練習の初日は、はやくUUUメンバーに会いたくて、学校を休もうとした子もいたそうです…!
(学校を休んだら、最終コンサートにだしません!とドロシーに怒られてしまったようですが…)
そんな可愛いこどもたちとの出会いは、UUUメンバーにとっても一生の宝物です。
「あの子と約束しちゃったから、またセブに来ないと!」
というメンバーも。
私自身、今回2回目のUUUに参加し、インターンとしてもセブンスピリットに戻ってきたのも、もう一度こどもたちに会いたかったのが大きな理由の1つです。
最終コンサートでの共演は大成功。終演後の舞台では、別れを惜しんで涙を流すメンバーとこどもたちの姿がありました。
最終コンサートを終えたあとは、夜景のきれいなレストランで打ち上げ。
ひとりひとり順番に、マイクをまわしてこの10日間で感じたことを語ります。
どのメンバーも、言葉があふれて止まりません。
楽しかった思い出を述べる人や、メンバーへの感謝の気持ちを伝える人。中にはこの10日間で「音楽」に対する想いが大きく変わった、と話してくれる人も。
そういった言葉の数々を、私は運営として、ただただ安堵の気持ちで聞いていたのですが、その中でも特に印象に残ったものがあります。
大学4年生で春から中学校の教師になるというメンバーのひとこと。
「みんなのような子どもを育てたい」
また、打ち上げ後には数人のメンバーとこんな会話を交わします。
「彼の言葉にはすごく共感した。私も子どもができたら、みんなみたいに育ってほしい」
今回のUUUメンバーが、どれだけお互いを認め合い、尊敬し合い、深い友情を築き上げたのかを実感した瞬間でした。
今、こうしてブログを書きながら改めてUUU2015春の10日間を振り返ってみると、様々な想い出がよみがえってきて、少し寂しい気持ちがします。
全国から集まったメンバーであるがゆえに、今後全員で集合したり、演奏したりすることは簡単なことではありません。
それでも、このメンバーで共有した10日間が今後も私たちを繋いでくれる、という確信があります。
例えば次回もUUUにも参加する人や再びセブを訪れる人、日本からUUUやセブンスピリットを応援する人、今回のUUUの経験を生かして日本で頑張る人…
それぞれがそれぞれの場所で活躍し、それを互いに尊敬し合い、刺激し合える仲間であり続けたいです。
UUU5期メンバーの皆さん、10日間本当にありがとうございました。そしてお疲れ様!
準備段階からアドバイスをくださり、支え続けて下さった過去参加者の皆さんにも、この場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
そして今後参加を考えている皆さん、是非UUUに参加して、輝くような子どもの笑顔と素敵な仲間に出会って下さい!
NPO法人セブンスピリット
ご支援はこちらから
http://seven-spirit.or.jp/wayofsupport/
熱狂のUUUコンサートツアー(後編)
こんにちは、ハルです。
前回の続き、8日目最終日の話です。
セブ市内のエリザベスモールにてセブ音楽祭&ファイナルコンサートをしました。
一階入り口での即興演奏から始まり、フードコートでの子ども達とのパレード。
音楽祭ではスタジオキッズ単独での演奏披露や、UUUと地元大学オーケストラとの共演を果たしました。
ラストは定番の「Music Unites the World」で会場一体になって踊り、
大盛況のなか幕を閉じました。
すべてのコンサートを終えた充実感、みんなが一つになる喜び、
共に過ごしたスタジオキッズの子ども達や現地スタッフとのお別れ、
感動と涙がたくさんそこにありました。
今回同行して感じたこと、
それはどこの会場に行ってもすべての子ども達の目が輝いていたこと、
音楽のチカラによって一体になり、喜びと感動で溢れていたことです。
例えば、音楽はクラシックじゃなくたっていい。
ただ、音楽の選択のひとつにクラシックがあったっていい。
幸せを運んでくるチカラのひとつになってほしいと心から思いました。
一番嬉しかったことは
ファイナルコンサートで、UUUの演奏を聴いている子ども達の表情です。今でも目に焼きついています。
子ども達が笑顔いっぱいで音楽を楽しんでいて、目を輝かしている、そんな光景にしばらく目が離せなくて、その瞬間は時間が止まったように感じました。なんだか嬉しくて涙が出ました。
これからこの子ども達はどんな風に音楽と関わって成長していくんだろう。
どんな風に大人になっていくんだろう。
クリスティーンというトランペットの女の子が舞台に上がる前に
自分に話しかけてきました。
彼女は演奏するまえにスピーチをするのもあって、すごく緊張していることをナーバスな表情で言ってきました。
自分は前日に覚えた英語で「Everything will be alright!!」と
彼女の肩を叩いて励ましました。
演奏が終わって舞台から降りて彼女とハイタッチをした時、
大仕事をおえた安堵の彼女の表情が自分も本当に嬉しかったです。
UUUのコンサートツアーも終え、メンバーも日本に帰っていきました。
セブはいつものようにジプニーがけたたましく走り、真夏の青空と陽気な毎日。
セブンスピリットの子ども達もまた、スタジオに通う日常生活が再び始まりました。
今回のツアーでの沢山の思い出達、
子ども達が成長していつか大人になっても心の片隅に残ってくれるといいな。そんな風に思いました。
NPO法人セブンスピリットのサイト
HP : http://seven-spirit.or.jp/
NPO法人セブンスピリット・支援方法はこちら
http://seven-spirit.or.jp/wayofsupport/
スポーツ支援プロジェクト開始!
インターン生の高橋です!
スポーツ支援プロジェクトスタートしました!
音楽だけではなく、スポーツを通して子ども達に笑顔を届けたい!
と思い、昨年の夏からスポーツ支援を企画しました。
正直、音楽を中心としている子ども達がどこまでスポーツに興味を持っていてくれるか凄く不安でしたが、音楽チームとスポーツチームに分かれて活動する際になんと17人の子供達が集まってくれました。
5人程の参加を予想していた私にとって嬉しいニュースになりました。また同様に、17人もの子ども達をどうまとめていくか、悩むこともありました。
現在は、フィリピン人の学生のサポートもあり、なんとかやっています。
スポーツプログラムの大きな目標に"子ども達の中でリーダーを育成したい"という思いがあります。
その大きなきっかけとして、2つあります。
昨年訪れたNPO法人ZOTOというマニラの団体では、貧しい子ども達をリーダーとして育成し、自主的にフォーラームなどを開いていていました。
中学1年生の子が100人を超える人数の前でしゃべっている光景を目の当たりにした時、大きな刺激をもらったことを今でも鮮明に覚えています。
また、私が指導させていただいているサッカーチームでもプロサッカー選手の育成ではなく、次世代の育成を狙うリーダーの育成をしているからです。
そこで指導する中で監督の話を聞いて、非常に共感を持てる点がただありました。
私たちが何かを子ども達に与えることは簡単だと思います。
ですが、支援するだけではなく、これからの世の中を担うリーダーの育成も重要だと私は考えています。
そういった子ども達の育成をスポーツを通してできたらと思います。
支援する側に必要なのは、一時的な支援ではなく、1つの支援がどう子ども達に影響させることができるのかが重要ではないのでしょうか。
まだ、具体的なリーダー像とは何か、そして、それを育成するには1年、2年ではできないと思いますが、子ども達にきっかけを作ってあげるところから徐々に始めたいと思います。
現在、様々な場所で勉強する機会を与えてもらっています。
そういった経験を蓄積して、セブンスピリットで生かしていきたいと思います。
また、現在、指導しているサッカーチームとセブンスピリットの子ども達を、Skypeを通して、交流しようという企画を考えています。
日本の子ども達にとっても、セブンスピリットの子ども達にとっても大きな影響になると思います。
小さい頃から、他国の現状を知ってもらう、異なる文化と触れ合う。グローバル化が進むからこそ、他の文化を協調する力を子ども達につけてほしいと願います。
開催は4月を予定しています。また、随時報告等をしていきますので、よろしくお願いします。
これから、 1つ、1つ確実に進めていきますので、みなさんの暖かいご支援をこれからもよろしくお願いします。
NPO法人セブンスピリットのサイト
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