セブンスピリット・スタッフBlog

フィリピン・セブ島を拠点に、スポーツ・音楽教育を通したライフスキル育成に取り組むNPO法人セブンスピリットのスタッフBlogです。

祭りのあと

アジアの子ども達にクラシック音楽を届けるべくセブにやってきたUUUオーケストラのメンバー。彼ら、彼女らが日本へ帰っていきました。そして、日本に帰って一呼吸置いたメンバーが、それぞれの想いをfacebookに書き連ねています。

 

アジアの子ども達にクラシック音楽を届ける。チームとしてのテーマは決まっているけれど、参加者それぞれの胸の内というのは44人いれば44通りあるわけで、そう簡単にひとつになるものではない。正直、最初にこのチームを見たときに、ボクは魅力を感じませんでした。いったいみんなは、どこに向かって、なんのために演奏をしているんだろう。音楽の技術的なことはよくわかりませんが、たとえどんなに演奏が上手であろうと、自分がこのチームの演奏を聞いて泣くことはないなと、そう思いました。

 

でもね。実際に演奏会がスタートして、子どもの前で演奏をしていくうちに、日に日に…いや、違うな。1曲1曲で表情が変わってくるんです。ボクは主に動画撮影をしていたこともあって、ずっと演奏中のメンバーの顔をひとりひとり見ていたんだけど、表情や雰囲気がガラリと変わってくる。

 

みんな、それぞれきっかけがあったと思います。子ども達の笑顔が嬉しかった。熱烈な歓迎を受けた。いままであまり話さなかったメンバーとなにげない会話をした。そんな小さなきっかけの積み重ねによって劇的に表情が変わる。そして、それが面白いことに音にも影響するんですね。

 

あとで確認すると、いや、さっきの曲はミスがいっぱいあって…というような話をされるんだけど、ミスがあろうが失敗しようが、同じ方向を向いているチームにはそれを超越するパワーがあるし、音も心に響く。44通りの想いが徐々にひとつになっていくその様に、正直、胸が熱くなりました。

 

EVAでやったUUUとしての最後の演奏。多くのメンバーが泣きながら演奏をしたあの時間というのは、会場をひっくるめてひとつになったような、そんな感覚があったし、自分も撮影をしながらずっと泣いていました。まあ、隣の女学生は鼻水を垂らしながらヘグヘグと泣くボクにどん引きをしていましたが……。

 

子ども達に届けるつもりが、逆にたくさんのものをもらいました。多くのメンバーがそんなことを書いていましたけど、みんなの演奏は、音は、心は、子ども達にしっかり届いています。小さなきっかけがチームを大きく変えたように、子ども達の心にもきっかけが芽生えたはずです。

 

感動や想いというのは、時間が経てば確実に薄まります。たまにふと思い返して、ああ、あのときは楽しかったなあと思うのもすごく良いと思いますけど、UUUメンバーにはぜひ、感動を、想いを薄めることなく、日々上書きしていってほしいなと、そう思います。ボクも、みなさんがフィリピンに蒔いてくれた音楽という種を、現地でしっかりと育てていきたいと思います。

 

自分たちの活動と、そして皆さんのことを誇らしく思えた、そんな10日間でした。ありがとうございます。

 

さーてと。ソフトクリームでも食って、今日も張り切っていきましょうか。

 

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