こんにちは、セブンスピリット代表の田中です。
実は先日、以前から考えていた「お泊り教室」というのをついに実施しました。子ども達が練習をしているスタジオにみんなで宿泊して、普段はできないような教室をしようじゃないかというのがテーマだったんですが、これをやりたいと考えた理由は3つありました。
1つ目は、子ども達の日常生活を見たかったから。
我々は定期的に子ども達の暮らすエリアや自宅を訪問してはいますが、基本的に子どもとかかわるのはセブンスピリットにいるときだけ。スタジオでの子ども達は大きな成長を遂げていますが、じゃあ、果たしてそれが実生活に活かされているのか。それが見たかったんですね。
まあ、スタジオでの宿泊と自宅での生活が100%と同じかと言われるとそういうわけでもないんですが、それでもたとえば、みんなしっかり寝る前に歯をみがいているんだなとか、みんなで布団をシェアしながら寝てるなとか、ちゃんと寝る前に挨拶ができているなとか、起きた時に寝具の片付けができているなとか、そういった普段のクラスではわからない小さな発見がたくさんありました。
人生をよくしよう。ライフスキルを育もう。いつも大きなテーマを掲げて活動をしていますが、日常の些細なことの積み重ねが大きなものつながるわけで、子ども達を生活レベルで見ることができたのは、スタッフにとってもいい経験でした。まあ、一緒に寝ると寝ぼけて頭を蹴飛ばされるわ、朝の5時半からハイテンションで起こされるわで、大変なこともいっぱいあったんですけどね(笑)。
朝の5時半からハイテンションで水浴びをする子ども達
2つ目の理由は、意識の共有。
実はこの翌々日から、セブンスピリットにはたくさんの新入生が入ることになっていました。年齢はいまの子たちよりも上の子も入ってきますけど、セブンスピリットというクラスの中ではいまの子ども達は上級生。そこに新入生が入ってきて、テンションが上がるのはわかりますけど、たとえば子ども達が落ち着きがない、話を聞かない……というように、いままでできていたはずのことができなかったら、どうなるか。新入生は、それを見て思いますよね。ああ、セブンスピリットはこんな感じで大丈夫なんだ、って。
そうではなく、ビシッとした環境で受け入れたら、新入生はその空気を感じるわけです。ちゃんと話を聞かなきゃいけない。一生懸命、練習しよう。そう思わせるのは、環境というのがとても大切だと思うわけです。まじめに、一生懸命にやるのが当たり前の環境作りと、その確認。これを、新入生が入る前のタイミングでやりたかったわけですね。
そして、3つ目が夢の共有。
これまで夢なんて見られないような環境で育った子ども達が、中にはたくさんいます。そんな中、ボクは個人的に日常会話のなかで「大きくなったらなにになりたい?」と子どもに聞くことはありましたけど、それを全体で共有したいと思ったわけです。
将来の夢はなにか。なぜ、なりたいのか。そのために、なにをすべきか。
これを自分だけでなく、みんなの前で発表する。これによって夢に対して意識もするし、自覚もするようになる。それが、日常の小さな変化につながっていくんじゃないかと思ったんですね。
円になって夢の発表
ミュージシャンになりたい。音楽の先生になりたい。警察に、消防士になりたい。いろんな夢がありました。
音楽の楽しさをみんなに伝えたい。セブンスピリットが火事になったらボクが消しにくるんだ。困った人たちを助けたいんだ。いろんな理由がありました。
そのために、ボクは勉強をがんばる。たまに休んでいた学校も、休まないようにする。自分がいますべきことを話し合いました。
セブンスピリットが外から教えていくことも大事ですが、それと同じくらい大事なのが子ども達自身の意識が、心が変わること。
心が変われば、態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
運命が変われば、人生が変わる
こんな言葉がありますが、まさにこれですね。
ただ音楽を、スポーツを教えるのではなく、こういったところを意識しながら活動していかないといけないなと、あらためて感じました。
以上、3つの理由からお泊り教室を開催したわけですが、実はもうひとつ理由がありました。それは、
楽しそうだったから。
みんなが一緒にお泊りするのなんて、絶対に楽しいに決まってるでしょ。そんなことを考えて何日も前から子ども達以上にワクワクしていたボクは、誰よりも子どもなんだと思います。
さて、次はどんなワクワクするイベントやろっかな。
毎日、そんなことばかり考えています。
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